自閉症について 5

親子だけの縦関係のなかで、なんでも子どもの欲求を先取りして育てられていた状況よりも、子ども同士の横関係で、社会的な接触の意味を感じとることも必要になりましょう。


いわば昔だったら、自然に与えられていた人間関係の基礎工作を、現代では意識的につくりだしていかねばならないのかもしれもせん。


しかし、以上のような子ども集団の対応のほかに、親そのものにはどのようにアプローチすればよいのでしょうか。


さきにあげた幼稚園で、同時にいろいろの話のときに、他の先生の言ったことばもまた印象的です。


それはさきの体罰とリンチのことを言った先生は東京のある下町風の地域社会という立地条件にある幼稚園なのですが、もうひとりの先生は、私のところでは、とても、そのようなことはできません、という意見なのです。


そのように言われた先生は、山の手のほうにある幼稚園の先生なのです。


すなわち、下町という隣り近所オープンで、互いにあけすけに話しあい、なんとなくゴチャゴチャとまざりあって、良い意味でよその家庭の子どもの面倒までみるような気風のあるいわば雑貨屋さん的とでもいう雰囲気の地域ならば、少々手あらなことなどもいっこう気にしません。

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